ドドメ色

 

 最近、色にはまっていて、色のついているものがあったら立ち止まって見つめたり、人間が色を知覚するメカニズムについて調べたり、カラーセラピーを受けたりしている。

 たまたま受けたストループ検査*1は、受けた経緯こそ不本意だったものの、わりにポジティブな気持ちでこなすことができたし、ここ3か月くらいでデザインのセンスも多少伸びた。もし僕が外国語として日本語を学ぶ立場だったら、「色」という語をふたつつなげて「さまざまなもの」という意味になる「色々」という言葉がとても大好きになっていたと思う。

 

 というわけで今日もインターネットで色を見ていたのだけど、その過程でちょっとびっくりすることを知った。

 

どどめ色(ドドメ色、土留色)とは、その名前は知られているが正確な定義のない色。

 

 えー! ドドメ色って「その名前は知られているが正確な定義のない色」だったんだ!

 

 ドドメ色という言葉が使用されているのを、僕は人生でたった一度だけ見かけたことがある。昔、少年ジャンプで連載されていた「封神演義」という漫画の、中盤の山場となる「仙界大戦」というエピソードの序盤の部分である。

 妖怪仙人たちの本拠地である金鰲島に乗り込むときに、チーム分けをするのだけど、そのとき主人公と普賢真人がこの色の玉を引いて、おなじチームで行動することになったのだ。

 

 そこで見かけるまで「ドドメ色」という言葉を聞いたことがなかったし、それが指している色も何なのかわからなかった。マンガは白黒で書かれていたし、べつにカラーページでもなかったので白黒に縮減された情報しか得られなかった。「ドドメ色」の玉を引いたときの太公望と普賢真人の会話から、ぱっとしない地味な色で、見ていてもそんなにうれしい色ではないこと、それでも、普賢真人によるとなんとなく2人のイメージには合っていて、べつに悪くはなくない?*2と思えるような色だということがわかったのみである。

 

 ファンフィクションの界隈では、太公望と普賢真人のペアを表す言葉として定着しているようだ。

 

 けど、「ドドメ色」、「その名前は知られているが正確な定義のない色」だったのかよ……。もうそういうところをメタファーに使って、「ドドメ色」をキーとなるモチーフにしたssの案、100個くらい思いついて大変だった。

 

 明らかにお話になるので、たぶん調べたらその発想で作られたお話が何個か見つかるのでしょう。僕にとってはちょっと普賢真人というのは思い入れのあるキャラなので、ちょっと楽しみですね。*3

*1:ストループ効果 - Wikipedia

*2:さすがに昔読んだ漫画なので定かかと問われると定かではないが、そういうやり取りがあったと思う。

*3:好きになっちゃうのは… - タイドプールにとり残されて