一切吟味せずに決めるベスト長編小説best100!

 

 これまでに読んだことのある小説の中から、ベスト100のランキングを作ってみたい! ……という気持ちがあり、あっただけではなくなんどか真面目に取り組んでみたこともあるのだけど、とても時間がかかって大変だったし、大変さのなかに意義を見失うことが多々あった。

 世界にたくさんある小説のうち、自分が読んだことのあるわずかななかから、誤解や記憶の風化やミスジャッジや比較の不可能性に抗ってまで形式的な順位を決めて、いいことなんて本当に無いんです。

 

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 しかし、一切吟味せずに決めるのであればどうだろう? 「とにかくよかった小説!」ということだけを頭に固定しておき、1位から、もう思いついた順に小説を挙げていくのだ。

 浅はかなランキングになるかもしれないが、けれど、いったんの真実を反映した、それはそれで重要なランキングになるはずなのだ。だって、こういうときに最初に思いつくものは、きっと自分にとって上位に来るようなものなのだろうし、後知恵で上位に食い込んでくるようなものは、じつは勘違いで、そんなにたいしたものではないかもしれない。

 

 今回は、長編小説に限定して、これまで読んだ本の中から、「面白かった」「人生や価値観に影響を与えた」「いま読みかえして、はともかく当時の自分に刺さった」「この小説を読んだことが自分の解除実績リストにあることが、そのあと長きにわたって自分に幸福を与えてくれている」……、などといったさまざまな意味での良さをすべて合計し、100位だと思うものから1位だと思うものまで*1ランキングをつけていく。

 いろんな良さを総合してというところに「ベスト」、そのなかで良い上位100というところに「best」の意味を含ませているつもりなので、タイトルで言葉がかぶっているのはご容赦ください。

 速攻で行き、調べる手順は挟まないので、タイトルや作者名に間違いはあるかもしれません。

 

 それでは……。

 

100位~51位

100.『模倣犯』 宮部みゆき

99.『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』 桜庭一樹

98.『夜明け前のセレスティーノ』 レイナルド・アレナス

97.『アメリカの鱒釣り』 リチャード・ブローティガン 

96.『モモ』 ミヒャエル・エンデ

95.『シューマンの指』 奥泉光

94.『北は山、南は湖、西は道、東は川』 クラスナホルカイ・ラースロー

93.『ミニチュア作家』 ジェシー・バートン

92.『石のハート』 レナーテ・ドレスタイン

91.『アヒルと鴨のコインロッカー』 伊坂幸太郎

90.『オレンジだけが果物じゃない』 ジャネット・ウィンターソン

89.『ビラヴド』 トニ・モリスン

88.『レモンケーキの独特なさびしさ』 エイミー・ベンダー

87.『ニュークリア・エイジ』 ティム・オブライエン

86.『真夜中の子供たち』 サルマン・ラシュディ

85.『空の中』 有川浩

84.『99%の誘拐』 岡嶋二人

83.『オルフェオ』 リチャード・パワーズ

82.『赤朽葉家の伝説』 桜庭一樹

81.『万延元年のフットボール』 大江健三郎

80.『地図と領土』 ミシェル・ウエルベック

79.『探偵伯爵と僕』 森博嗣

78.『どきどき僕の人生』 キム・エラン

77.『スローターハウス5』 カート・ヴォネガット

76.『好き好き大好き超愛してる』 舞城王太郎

75.『出島の千の秋』 デイヴィッド・ミッチェル

74.『存在の耐えられない軽さ』 ミラン・クンデラ

73.『羊をめぐる冒険』 村上春樹

72.『世界を回せ』 コラム・マッキャン

71.『ららら科學の子』 矢作俊彦

70.『イタリア広場』 アントニオ・タブッキ

69.『ニッポニアニッポン』 阿部和重

68.『白の闇』 ジョゼ・サラマーゴ

67.『名人』 川端康成

66.『彼岸先生』 島田雅彦

65.『チェゲムのサンドロおじさん』 ファジリ・イスカンデル

64.『ヴァインランド』 トマス・ピンチョン

63.『日本文学盛衰史』 高橋源一郎

62.『ナンバー9ドリーム』 デイヴィッド・ミッチェル

61.『ディスコ探偵水曜日』 舞城王太郎

60.『カモメに飛ぶことを教えた猫』 ルイス・セブルペタ

59.『海辺のカフカ』 村上春樹

58.『ピストルズ』 阿部和重

57.『フリーダム』 ジョナサン・フランゼン

56.『厳重に監視された列車』 ボフミル・フラバル

55.『世界の測量』 ダニエル・ケールマン

54.『さようなら、ギャングたち』 高橋源一郎

53.『沈黙』 遠藤周作

52.『こちらあみ子』 今村夏子

51.『ブライトライツ・ビッグ・シティ』 ジェイ・マキナニー

 

50位~21位

50.『ハローサマー・グッドバイ』 マイクル・コーニィ

49.『きことわ』 朝吹真理子

48.『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』 ジョナサン・サフラン・フォア

47.『月と六ペンス』 サマセット・モーム

46.『オン・ザ・ロード』 ジャック・ケルアック

45.『新世界より』 貴志祐介

44.『ミステリアスセッティング』 阿部和重

43.『LAヴァイス』 トマス・ピンチョン

42.『百年の孤独』 ガブリエル・ガルシア=マルケス

41.『ねじまき鳥クロニクル』 村上春樹

40.『コインロッカー・ベイビーズ』 村上龍

39.『紙の民』 サルバトール・プラセンシア

38.『バルザック小さな中国のお針子』 ダイ・シージエ

37.『ピュリティ』 ジョナサン・フランゼン

36.『雲』 エリック・マコーマック

35.『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』 村上春樹

34.『シンセミア』 阿部和重

33.『カラフル』 森絵都

32.『愛と死』 武者小路実篤

31.『マシアス・ギリの失脚』 池澤夏樹

30.『ムーン・パレス』 ポール・オースター

29.『ディフェンス』 ウラジーミル・ナボコフ

28.『鉄鼠の檻』 京極夏彦

27.『夜のピクニック』 恩田陸

26.『自由死刑』 島田雅彦

25.『嵐が丘』 エミリー・ブロンテ

24.『V.』 トマス・ピンチョン

23.『ガープの世界』 ジョン・アーヴィング

22.『さようなら、コロンバス』 フィリップ・ロス

21.『三毛猫ホームズの追跡』 赤川次郎

 

20位~11位

20.『ハドリアヌス帝の回想』 マルグリット・ユルスナール

19.『剃髪式』 ボフミル・フラバル

18.『熊を放つ』 ジョン・アーヴィング

17.『こころ』 夏目漱石

16.『重力の虹』 トマス・ピンチョン

15.『感情教育』 ギュスターヴ・フローベール

14.『ホテル・ニューハンプシャー』 ジョン・アーヴィング

13.『さよなら妖精』 米澤穂信

12.『カチアートを追跡して』 ティム・オブライエン

11.『コレクションズ』 ジョナサン・フランゼン

 

Top10

10.『巨匠とマルガリータ』 セルゲイ・ブルガーコフ

9.『メイスン&ディクスン』 トマス・ピンチョン

8.『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』ジョナサン・サフラン・フォア

7.『かばん』 セルゲイ・ドヴラートフ

6.『ムジナ探偵局』 富安陽子

5.『ガラテイア2.2』 リチャード・パワーズ

4.『スカイ・クロラ』(シリーズ) 森博嗣

3.『ドクトル・ジバゴ』 ボリス・パステルナーク

2.『逆光』 トマス・ピンチョン

1.『源氏物語』 紫式部

 

*1:実際は、1位から順に考えてそのあと並びをひっくり返している。100位から順に良いものを即興で思いついていくというのはさすがに求められる自分理解力の水準が高すぎて手に負えないので。