元素をあいうえお順に覚える人はじめて見た ほか

 

元素をあいうえお順に覚える人はじめて見た

 カズレーザーが20分かけて元素を思い出す動画を見ていた。「元素、ぜんぶ言える?」という、企画立案の段階ではあんまり頑張ってない感じの動画なんだけど、いざ観てみるとちょっと迫力があった。

 

 まず「『あ』だよな、あ」って言って「アインスタイニウム」を最初に答え、そのあとも順調に元素をあいうえお順に答えていく。

 ふつう元素って番号順に覚えるか、性質が似ている周期表の縦の列で関連付けて自然に覚えていくんですけど、あいうえお順って何? しかもそれでほぼ思い出せてるし、そのうえで五十音に「ら行」があるのを忘れておおきく取りこぼすのも面白い。

 

 おなじチャンネルのほかの動画では昨シーズンJ1・J2に所属したクラブの名前を答えるのだけど、そこでも、音の響きに着目して記憶したり答えている様子が見られる。元素ならふつうこうやって覚えるでしょ、というのを無視して、自分の認知能力の特性に合ったしかたで覚えているという、面白い例だと思った。

 

ロトカ・ヴォルテラの語感はたしかに良い

 タイトルを偶然見つけてびっくりした。ロトカ・ヴォルテラといえば、生態系レベルの生物学を数理モデル側から勉強していると序盤で出てくる連立微分方程式の名前ですが、たしかに勉強しているとき、僕も「このロトカ・ヴォルテラってかなり語感がいいな……」と思っていたものだった。僕の見立てが間違いでなければ教員もちょっと格好をつけて「ロトカ・ヴォルテラ」といっていたような気がする。

 

 曲自体はふつうに面白いのだけど、歌詞とかを見るかぎり、ロトカ・ヴォルテラ方程式の面白さをうまく作品に取り入れているというよりは、たんに語感の良さを借りているという感じ。

 それでも、けっこう人口に膾炙しているバンドがそんなに人口に膾炙しているわけでもない(勉強したら、名前を覚えていることはあるかもけど)方程式を曲名につけているのはマニアックで良いですね。メンバーにそっち形の勉強をしていた人がいるのだろうか。

 

サワードウは日本でいう「蘇」みたいな立ち位置だったのかな

 微妙にタイミングを外してしまったのだけど、コロナショックの初期にWeezerが突然発表したステイホームソングの概要欄に書かれていた一文がとても好きで、機会があるたびに聞きなおしては読みなおす。

 

This one is for the stay at home dreamers, the zoom graduators, the sourdough bakers, and the essential workers.

 「the stay at home dreamers」「the zoom graduators」「the sourdough bakers」という3種類のロックダウンな人々を列挙して、そのあとに、曲の主題であるエッセンシャルワーカーを置く単純な修辞なのだけど、前に置かれている3つが妙にダイナミックな離れかたと、パワフルな造語力をしていて、「the essential workers」までたどり着いたときにかなり気持ちのいい気分になる。