あたしが 死んだら ○○○○は あたしのこと ずっと おぼえててくれる?

 

 最近このニュースを見て、日本のロールプレイングゲームドラゴンクエスト」シリーズのことを思い出し、そのあともしばらく思い出し続けている。

 そのシリーズのうちの一作に、「ドラゴンクエストⅥ」というのがあって、そのなかに「アモール」という町があり、そこでも川が真っ赤に染まるイベントがあるんですよね。

 

 DQ6の世界で川が赤く染まった理由は……、微妙にDQ6のメインのギミック*1の絡んでいるシナリオを、やや時間をかけて説明しないといけないのですが、ざっくり言うと、「昔いい感じの冒険者のふたり組がいて、でもあるとき、冒険の途中にそのうち片方Aさんが魔物に取りつかれてしまって、なんとかしようとするうちにBさんはAさんに深手を負わせてしまう。……その結果、Bさんは自分の剣についた仲間の血を洗い落そうとするんだけど、血はどうしても落ちず、川が真っ赤に染まる、……という夢をずっと見続けている」という感じ。

 

 この(上の世界)アモールのイベントはけっこう印象に残っていて、とくに川が赤く染まって住民がパニックになっている状況下でも、「なに、長い人生、まあそんなこともあるだろうさ」みたいなことを言って、粛々と営業を続ける荒くれ者の武器屋などをいまだに鮮明に思い出せる。

 

 ……思い出せるのだけど、一応ファクトチェックとして、その武器屋の言葉が収録されているという本を買って読んでみた。

 本の内容自体に特筆すべきことはほとんどなく、同様の用は、インターネットの「ドラゴンクエストの名台詞をまとめてみた」みたいな記事でも事足りるようなものだったのだけど、こういうものを楽しむときに関しては、コンテンツ側というより受容者がわの気持ちの昂りのほうが重要なので、まあ、これくらいで十分なのでしょう。

 

 ここの武器屋に限らず、ドラクエの武器屋だったり宿屋だったり教会だったりは、モンスターに襲われたりとかけっこう町が大変なことになっているときでも、なんとか営業していることもけっこう多い*2

 そうじゃないとプレイヤーが困っちゃうから、という理由もあるのだろうけれど、それと同時に、おなじ場所でずっと、ふだんから自分の役目として営業を続けてきたんだし、外の様子がちょっとくらいおかしかろうと、結局これまで続けてきたことを続けるしかない、みたいなフォークな哲学みたいなものがあるのかもしれない。

*1:夢の世界と現実の世界を行き来しながら冒険する。

*2:してないこともまあまあ多く、そのばあいはちょっとゲーム的には難所になる。