「戦姫絶唱シンフォギア」の2期、「戦姫絶唱シンフォギアG」を観ていた。はじめのころはノリについていけてたとはいいがたかったが、2期計26話も見るとすこしずつなじんでくる。やりたい画があって、それからいろいろ逆算して組み立てているタイプの作品なのでしょう。
1期と比べると、登場人物が増えているぶん、やらなきゃいけないことが増えていて、ストーリーはだいぶ混乱しているように見えたけれど、楽曲だったり作画だったり見せどころの演出などは1期の延長線を行く形で面白くなっている。変身のときのショートムービー*1は影とずれる演出を使ったシンプルな1期のほうがかっこよかったと個人的には思ったけど、手のかかり具合では比べようもない。
そして雪音クリスさんがとてもかわいかった。1期の最初では敵陣営のキャラとして出てくる。主人公に負けちゃって、「使えない!」っていう理由で敵のボスから虐待されちゃうんだけど、ボスへの忠誠心は保っている、……というようなシーン*2を見たときから、「俺このキャラ好きになるんだろうな…」と頭ではわかっていたが、2期になってやっと心がついてきた。
2期だといなくても話は回るキャラなので、クローズアップされる場面は取ってつけたような部分にあるのだけど、それでもかわいい。ひとに対して壁を作り、厚意に対しては警戒で、好意に対しては敵意で報いるんだけど、ひとつ線を越えるのを許したあとになってしまうとぎこちなく程度のわかっていない好意を返しちゃう感じが、人格の形成期に十分な愛情を受けなかった人間のリアルという感じで良かった。
スタッフの選ぶ「ベスト・オブ・シンフォギア」にも彼女のシーンがいくつか選出されている。こちらは3話でみせた変身シーンのフルバージョンなのだけど、最後の「ばぁーん☆」の部分が最初見たとき笑ってしまった。し、そのあとかわいすぎてちょっと泣いた。
雪音クリス役の声優さんが選ぶのは、かなり名シーン然としたシーンである。生い立ちもあって、学校ですこしとけこまない過ごしかたを選ぼうとしていた雪音クリスが、半分無理やり、のど自慢選手権に立たされてしまうところで、歌われる曲が、戦うときに歌うものとは違ってなんの変哲もないポップソングなのが切ない。
陳腐であることがまぎれもなく正解となっている、世界でも珍しい例のうちのひとつなのではないでしょうか。
*1:専門的には変身バンクと呼ぶらしい。ちょっと検索したら詳しい人はみんなあたりまえのように「変身バンク」という言葉を使っている。
*2:ここまではほぼフェイト・テスタロッサである。