インターネットには読んでいてとても面白いものがたくさんあり、その数は尽きることがない。そのなかから最近はまっている読み物を紹介していくこのコーナー、今回は一周年を迎える記念すべき回だ。ご紹介するのはこちらのnoteである。
この月餅さんのnoteのいちばんの見どころは、今年の6月23日から毎日欠かさず(たまに寝落ちしたり、日付を間違えているところもあるが)更新している日記でしょう。空白をふんだんに使い、シンプルに気持ちを書き留める、ひと昔前のブログ!って感じの文体がなつかしい。
ブログにはSNS以前と以後、流行りが2回来ているイメージがあって、以後のほうのブログはちゃんと文字を書きがちなのだけど、そうではない、中川翔子さんや上地雄輔さんが毎日何回も更新し、覇を競っていたころのブログにもいま読みかえしてみると非常に良いものがある。
さて、一年後のわたしに問う
夫はどのくらいの頻度でパチンコに行ってる?
日付が冠された日記回は、「一年後のわたしへ」という呼びかけではじまり、「一年後のわたしに問う」という問いかけで終わる。このフォーマットが非常に美しく、特許を申請してもいいんじゃないかと思った。
そうそう、話ズレるけど
わたし本当にせっかちなんだよね。
ネタバレ見たりとか早送りしたりとかよくある。
だからかな、再視聴はなんか安心して観られるっていうかあまり観てなかったところ観たり
好きなところだけゆっくり観たりする。
映画じゃないけどさ、知恵の輪の時なんかわからなすぎてネタバレ調べて解いた時は夫に呆れられたっけ。
日記を書くと、毎日の出来事が重要なものに見えてしまって、あるいは重要な教訓を引き出さないといけないような出来事に見えてしまって、もっともっとあるいは、読むに堪えるだけの深みを出来事に見出さないといけないような気がしてしまって、なかなか筆が止まってしまいがちなのだけど、この問いかけメソッドは非常に良くできている。
一年後の自分へのたんなる報告として、そしてちょっとした問いかけとして、自分が過ごす人生のうちのとある一日のことを、それ以上でもそれ以下でもない、ぴったりの重みで記録して残すことができる。
「一年後のわたしへ」から「一年後のわたしに問う」に挟まれた文章は、なので読んでいてとても気持ちがいい。問いかけの内容も、文章全体のユーモラスな要約や振り返りになっていてうれしい。
たくさんの数があるわけではないが、日記としてナンバリングされていない回も独特のセンスがあって面白い。これからも楽しみに、……とくに来年の6月23日以降、一年前の問いかけに軽く答えて日記を始める2週目が見られるのをとても楽しみにしている。6月23日というのは、個人的には僕の誕生日でもあるので、もし見れたらそれはすごく良い誕生日のうれしさになるでしょう……。