ふるえるぞハート

 

 2013年の夏、僕のハートをふるわせていたのは、「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」というゲームのプロモーション・ビデオだった。結局買うことはなかったゲームなのだけど、このPVはとても素晴らしくて、「ジョジョの奇妙な冒険」ファンとしてなんども感動したし、いまだに思い出しては見返している。

 

 ちょっと独特の人気を保っているマンガ「ジョジョの奇妙な冒険」は、主人公が入れ替わる長いシリーズをなしていて、そのシリーズ全体からいろいろなキャラが出てくる格闘ゲーム、というだけで感動である。そのころはおなじく「ジョジョ」が好きな友達とずっとこのゲームの話をしていた。いったいどの部の、どのキャラクターが参戦するのだろう。

 ポルナレフや花京院は出るだろうが、ひょっとしたらモハメド・アヴドゥルは出ないかもしれない。シーザー・ツェペリは出るだろうか? 空条徐倫はひょっとしたら主人公だけど出ないのでは……? 僕は6部が好きなので、欲を言えば、ウェザー・リポートもナルシソ・アナスイも出てほしいのだけど。

 

 3弾目のPVから、激しさが増してくる。徐倫エルメェスの参戦にはほっとしたし(6部が無視されなかった…)、そのあとのミスタとジョルノのカッコよさったら。そして満を持して登場するDIO。標識攻撃からのロードローラーで、勝ったと思ったら、「俺が時を止めた」。……マンガを圧縮して読んでいるようなカタルシスをもたらす素晴らしい販促PVだった。

 

 それから、あたらしいPVが公開されるのを楽しみにして毎日を過ごすようになる。PV4段も素晴らしくかっこよかった。ここに来てやっと1部「ファントムブラッド」のジョナサン・ジョースターが初披露となる。そのあと、これまで登場してきた各部の主人公が、決め台詞とともに現れ、その部のサブタイトルが画面いっぱいに表示されるシーケンスが死ぬほどかっこよかった。――そして、最後のバトンを受け取るように出てくる、ジョニィ・ジョースター

 

 僕は個人的に、これまでの主人公のなかで一番、ジョニィ・ジョースターが好きなのでした。ハンディキャップを持っていて、人間的な弱み、内面性のようなものが全面に押し出される、「ジョジョ」の主人公ではこれまでになかったようなキャラ造形をしていて、そこがとてもキュートだった。

 

 そのあと8部の東方定助が出てくるのだが、この時点で8部「ジョジョリオン」はほとんど始まったばっかりで、とくに思い入れはない。

 

 このPVで一番好きなのはやっぱり、広瀬康一vs吉良吉影ですよね。「弱い!」って言って康一くんを踏む吉良吉影がかっこよすぎる。

 ほかにも、シーザー、エシディシ音石明音石明!? …たしかに、中ボス的な立ち位置のキャラではあるが、音石明!!!??)、カーズなどの参戦も発表される。

 

 そして、それ以上に忘れられないのが第6弾のPVである。なぜか公式の動画が残っていないのでリンクは張らないが、第6弾では、それぞれの部の主人公とラスボスとの戦いがゲームの画面の中で再現される。

 「ジョジョ」がすばらしいのはラスボスのキャラとしての魅力。それをゲームに落とし込んだ手際も素晴らしくて、ドッピオが電話をもらってマンガのコマとコマのあいだにある線をくぐってディアボロになる演出を見たときと、アメリカ合衆国国旗をひらりと操って戦うファニー・バレンタイン大統領の演出を見たときはかっこよすぎて全身が「ピン!」となってしまった。

 

 「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」はゲームとして、必ずしも良いと言われている作品ではないのだけれど、PVはほんとうに最高だったと思う。ハートがふるえた日々を、ありがとうございました。