短歌 18

 

風船に手を繋がれて九歳の僕父親を亡くしたばかり

 

 

おくすりは天使の声でいいました「朝夕二回食事のあとで」

 

 

動かなくなったルンバを捨てにいく甘い香りのする風の夜

 

 

しあわせは暖炉みたいに放置されときどき子供の覗きこむだけ

 

 

動きだす夜の明かりは自動車だ次が来るまで目を閉じていて

 

 

兵士らが一瞬のうちにすることもゆっくりとしよう 病棟だから

 

 

僕たちは家族写真を撮るときにいつでも誰かが足りずにぱしゃり