体を縮めて

 

体を縮めて
僕は隠れている

 

新しく引っ越してきた団地の五階
いつのまにか
たたまれなくなった布団の
空いた押し入れの中に
ドキドキしながら
息を殺して待つ

 

お母さんが
鍋をのぞき込むのをやめて
僕の不在に気付くのを

 

それまでの間
僕の退屈を紛れさせるのものは
カーテンが
夕日に透けてできる床の模様と

 

もう家中に広がっている
カレーのにおい