推し(μ's)にカバーしてほしい推し(ポルノグラフィティ)の曲を考える 8

 

園田海未

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 園田さんの歌には抑揚があまりなくて、感情が乗るところもあまり動かずに歌うという雰囲気があるような気がする。これはけっこう岡野昭仁の歌いかたとは反対で(彼はあまり動かない想定で作られている部分でも、感情の動きを抑えた結果動いてないんだけど内的には動いているみたいな歌いかたをすることがほとんどな気がする)、どちらかの曲を聴いているだけでは、なかなかイメージが重なる部分がなく、選ぶのにちょっと苦労したと言えばしたかもしれない。

 

1曲目 横浜リリー

 そこでとっかかりとなったのは、μ'sのサブユニットである「Lily White」の曲でしょうか。僕はもうああいう感じの曲が生理的に大好きで、ラブライブ!関連の曲でいちばん好きな曲が「春情ロマンティック」だというほどである。(2位は「微熱からMistery」)

 そういった、歌謡曲のテイストを取り入れた曲はポルノグラフィティもお得意であり、この横浜リリーもそういう意味でぜひ園田海未さんに歌ってほしい。

 

 これ歌詞もダメ男に人生をささげるんだけどその男がケンカで死んでそのあとはまた違う人生を送る女の歌で、まあちゃんと読むとディテールは海未ちゃんっぽくはなく、もうちょいたおやかな感じなのだけど、シチュエーション的には非常に園田海未を彷彿とさせて良い。

 幼馴染を大切に思いつつも、となりにいるひとが思い切りアクセルを踏んだときに、最後のところまでそばにいることはない、そういう現実的さと切なさがある、美しいパーソナリティだと思う。

 

2曲目 黄昏ロマンス

 ポルノグラフィティで、抑揚すくなめで歌われるのが効いている曲といえばこちらの「黄昏ロマンス」だろう。「横浜リリー」が、となりのひとのそばに最後にはいることのなかったエンドを持つ切ないストーリーであるとすれば、それを補完する、なにも起きないけどずっといっしょにいるストーリーを持つのがこの曲である。

 どちらがトゥルーなのかは、ともかく。

 

3曲目 サマーページ

 海は彼女なので、海にまつわる曲をひとつ歌ってほしいなという思いはあった。いろいろな選択肢はあったが、ポルノグラフィティの夏の曲のなかでいちばんマイナーであろうこちらの曲をお願いしたい。

 でもこれけっこういい曲だと思うんですよね。つくりはちゃっちいけれど、それもいま聞けば味のように聞こえるし、夏をお客様として楽しむのではなく夏のなかに暮らす、ってモチベーションの人間ならなんとなく感じる、夏のもつ怠さとチルさみたいなのがうまく感じられる。