1曲目 ライン
とつとつと語るような調子で、引っ込み思案な自分自身を歌うような曲が小泉花陽さんのソロ曲にあって、それと似た雰囲気を感じるのがポルノグラフィティの「ライン」じゃないでしょうか。
そのソロ曲とは違って、こちらの曲はけっこうハートブレイキングな感じで終わってしまうのですが、そういう曲をもの悲しく歌っている花陽さんの歌う感じを聴いてみたくないと言えばうそになってしまう。
2曲目 ROLL
小泉花陽さんというキャラクターはすこし癖のある声質をしていて、その状態でいろいろな歌を歌うとなると、歌としての表現を優先するのか、小泉花陽というキャラクターの声の感じを優先するのか、ワンフレーズワンフレーズごとに微妙な判断を迫られるような感じがするし、実際声優さんが小泉花陽として歌っている曲を聞いてもそんな感じがする。
小泉花陽さんでありながら、きれいに歌いこなせる曲のレンジは自然と狭まってくる。声を張る感じの曲は結構きついと思う。なるべくなら無理はしてほしくない。けれど、声の張る曲を推しが歌ってくれているときの、(聞いているがわが勝手に受けとる)あのエモーショナルな高揚は、なににも代えがたく捨ててしまうのは惜しい。
そういう葛藤のなか、ぎりぎりの線になるのがポルノグラフィティでいうとこの曲なのではないでしょうか。あまり言及されないけれどキャッチーなポップ曲で、後ろで定期的に、装飾音のように鳴っているクラッシュ音が好きです。
3曲目 ウェンディの薄い文字
逆にこういう動きのすくない曲であればその特徴的な声質を楽しめるいい雰囲気の曲になるのではないでしょうか。音もシンプルで歌が引き立つ。歌詞で描かれている人物の造形も、花陽さんが歌うとちょうどよい。
なにか強く残さなくちゃいけないものが
いまの私にあるとは I don't know 思えないのよ
去年あった東京ドームのライブ1日目にこの曲が演奏されたのですが、個人的に好きで、そして生で見れることはたぶんないのではないか…、とあきらめていた曲だっただけにイントロが流れたとき時間が止まった。
4曲目 ダイヤモンド
メロ部分は岡野昭仁にとってはちょっとめずらしい、たしか本人インタビューで「いけ好かない感じ」といった歌い方をしていて、このへんは寄せていってほしい。全体的に、メッセージ性のわりに音も歌も気の抜けた感じの曲で、その点がファンには非常に不評なのだけど、個人的にはけっこう好きな曲。
気の抜けた感じを、声を張らなくてもいいとポジティブに読み替えて、このあたりは自由な発想で花陽さんっぽく歌ってもらえたら、いい雰囲気の曲に生まれ変わるのではないか。とても聞いてみたい。
次は絢瀬絵里さんのことを考えます。