短歌 9

 

生命線くらべ合おうよ天国に近いといわれる展望台で

 

 

新しい僕たちの歌に賞賛の拍手を送った後は静かだ

 

 

郵便局へ荷物を運ぶ 帰りには手ぶらになること楽しみにして

 

 

透明な会話になっていく僕をやさしくそのままにしたゼミ長

 

 

つらつらと氷柱の寒夜くちびるに蜂蜜を塗ってキスをしましょう

 

 

僕は寝る 時折ここへも降ってくるはかない一夜の贅沢と寝る

 

 

妖精の餌になるんだ 春風の吹く市街地で失くした指は