クリスタル・ジャベリンを輝かせたい

 

 水文明の速攻が強いということは幼少期にデュエル・マスターズをやっていれば常識として知っていることである。とくに集めやすいうえに強い「クリスタル・ランサー」*1はあのころのみんなのエースだった。

 しかし、ソーシャルゲームデュエルマスターズ・プレイスにおいてはレアリティが格上げされていて、実戦に投入できるだけの枚数を確保するのは難しい。

 

クリスタル・ジャベリン

 ここにこういうカードがある。ベーシックセットとしてゲームを始めたプレイヤー全員に無償で4枚配られている、クリスタル・ジャベリンだ。とりあえず「クリスタル・ランサー」が手に入るまでのつなぎとして、「ランサー」が入るべきところに投入して使ってみたのだけど、どうもうまくいかない。

 

 結局メンバーからは外してしまったのだけど、デュエルとデュエルの合間、ふと息をつくひとときに、どうしても彼のことを思い出してしまう。そもそも、彼は「ジャベリン」だ。「ランサー」の代わりを務めさせようとした、そのことが間違っていたのかもしれない。空を流れる雲のかたちがひとつひとつ違うように、カードにもそれぞれの個性がある。ひょっとしたら、「ジャベリン」にも彼の輝ける場所があって、…それを俺は、用意してやれる立場にいたはずなのに…。別れ際の「ジャベリン」の悟ったような眼の光を思い出す。くそっ、どうして俺は……。いつも、……気づくのが遅すぎる。

 

 いや。まだ遅くはない。カードリストの奥深くに仕舞いこまれていた「ジャベリン」を4枚取り出したあと、「いや、4枚は多いな」と思って1枚戻した。

 

 

 最初は自然文明を入れてベーシックな青緑ビートダウンを作ろうと思った。ジャベリンのコストは7と少々重く、それをケアする仕組みが必要かと思ったのである。しかし、青緑ビートだとどう考えても「ジャベリン」をぜんぶ抜いてそのスペースに「ランサー」を入れたほうが強いことがわかり、方針を転換しなければならなくなった。

 

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 いまのところこんな感じに落ち着いた。我ながら弱そうではあるが、正直そこまで強いわけではない。ランク戦で20回戦えば11回くらい勝てる、といった戦績である。

 

 除去コンハンデス相手には余計なカードはプレイせずに手札を握りながら耐える。何事もなければ「勇神兵エグゾリウス」や「ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン」をプレイした相手に、返しのターンで「ジャベリン」を突きつけて、「あれ? こいつをどうしよう?」と困らせることができる。多少困る程度なのでふつうに対応されて負けることもあるがそこには目をつぶろう。

 

 ビートダウン系統のデッキに対してはブロッカーを並べよう。場を制圧してもS・トリガーを踏むとあっけなく負けるし、かといって攻撃開始のタイミングが早すぎるとそれはそれで負ける。この、攻撃の繊細なタイミングがこのデッキの肝であり、僕も正直なにもわかっていない。

 

 相手が「ジャベリン」をうまく処理できないままタイムアップになるときと、「ジャベリン」の処理をあきらめて殴り合いに持ち込んできた相手をかなり多めに入れているS・トリガーで返り討ちできた場合には勝てる。一度先手を取っても、決して油断してはいけない。こちらにできることは、相手より多くはないのだ。「ジャベリン」にできるのは、なんども立ち上がることだけ。けど粘り強く戦っていれば、相手の足元をすくうチャンスがそれだけなんども来る。

 

 「ランサー」の爽快感に比べて、彼の戦いかたはなかなかシビアでビターだ。けれどその分滋味深い。「ジャベリン」といっしょなら、とうぶん退屈することはないだろう。

*1:パワー8000のW・ブレイカーで、相手のクリーチャーにブロックされない。驚異的な突破力と決定力を持ったアタッカーである。