ある日地図を眺めていたら、京成線から伸びた新芽のようなキュートな構造物を見つけた。
拡大してみるとこのようになる。小規模な環状線、ユーカリが丘という地名、そして周囲の整然とした道路の形から、ここがどういう場所なのかなんとなく想像がつく。おそらくニュータウンであろう。
……おそらくニュータウンだとは思うが、しかしニュータウンではないのかもしれない。決着をつけるため、現地に赴いて確かめてみることにした。
駅から伸びる通りはこんな感じ。空中には新交通システムの高架が走り、いくつもの高層マンションがそびえたつ。ペデストリアンデッキに接続された商業施設が複数あり、レストランやカラオケ、ジムやスーパー銭湯などひととおりの設備がそろっている。
さらに進んでいくと、新芽の若葉のちょっと手前のほうにイオンタウンがあった。俺なんてロードサイド生まれフードコート育ち、はなまるうどんとラーメン魁力屋食ってたやつらは大体友達。
この日はイオンモールと商業施設を探索したところで駅前のホテルに戻ることにした。イオンモールと商業施設にはギャラリーが、ホテルの客室にはパンフレットが備え付けられていて、それでこの街についての情報を知ることができた。
山万という不動産会社が手掛けたニュータウン、ユーカリが丘は30年以上かけてちょっとずつ開発し、数に制限をかけながら新規入居者を募集している。それによってニュータウンにありがちな高齢化問題を解決しているかなり理想的な計画都市なのだという。公式の二つ名は「千年優都」。
駅前には商業施設を集積させるとともに、高層ビルを建てる。一方、その他の部分には分譲の戸建てを平面に広げ、その合間合間に保育園や福祉施設、公園などを用意する。2次元と3次元の開発が使い分けられていて、それによる独特の景観を見ることができる。
そして地区を一周して京成線につながる新交通システムを運行。鉄道会社が路線沿いに宅地を開発するケースはままあるが、不動産会社が路線を作っちゃうのは珍しいことなんですよ!とパンフレットに書かれていた。
不動産会社が開発後も地域の運営に携わり続けているので、住居のメンテナンスや住み替えなどもスムーズに進むらしい。良い人工都市だ。
泊まったホテルはこんな感じ。都市におけるホテルは、饗応・イベント・結婚式などの重要な拠点であるため、生活圏にひとつくらいはそれなりのものを用意する必要がある一方、ニュータウンという性質上外部からくるビジネス客・観光客は限られている。……その結果、受けられるサービスのわりに格安で宿泊できることが多い。
今回も朝食ビュッフェ付きで宿泊料金は6000円程度だった。とてもリーズナブル。外泊好きのかた、ニュータウンのシティホテルはけっこうねらい目で、おすすめですよ。