神ゼーロ~ラ・リーガ20節レアル・マドリーvsセビージャ~

 

 19/20シーズンラ・リーガ第20節レアル・マドリーvsセビージャの試合を見た。スペイン南部、ジブラルタル海峡の上くらいにあるアンダルシア州という州にセビリアという都市があり、そこにあるサッカークラブがセビージャである。セビリアは日本語の伝統的な呼称で、セビージャもセビリアも言語ではSevillaで、まったく同じ言葉である。

 

 レアル・マドリーの中盤はカゼミーロ、クロース、モドリッチ。最近は組まれる頻度が減ったいつもの中盤3人組が、今回の試合は3人ともがそれぞれに素晴らしかった。クロース、モドリッチはパスやシュート、ランニングといった彼ら本来の強みを十分に示していただけではなく、対面の相手との1vs1にもめちゃくちゃ勝っていた。とくに、調子のいいモドリッチは見ていると「よかったなあ~」って気分になりますね。

 

 そして圧巻だったのが2得点のカゼミーロである。ボール奪取を特徴とする選手で、数年前までは守備専用のアンカーみたいな印象を振りまいていたけれど、近年はふつうに攻撃もうまく、自由を与えると危険な選手になっている。

 今回の試合で前線に起用されていたのは、数字を残せてないヨビッチ、ルーカス・バスケスロドリゴの3人組であり、攻撃力の不足が懸念されていたのだが、最終的にはカゼミーロが2点取る(3点目も取りかけた)というこの上ない形で試合を終えることができた。途中からはカゼミーロがボールを持つたびに歓声が沸き上がるという、なかなかない光景が見れた。

 

 スペインのサッカー界にはスーペルコパという、先年度のリーグ戦やカップ戦の上位クラブを4つ集めてトーナメントで戦わせる、たまに中東で開催される、という特徴を持ったちょっとした商業的なおまけみたいな大会があって、それにマドリーが参加していたのが先週だった。そこではカゼミーロ、クロース、モドリッチの3人組に加えて、最高のバルベルデと最近ちょっといい感じのイスコを同時起用したミッドフィルダー5人体制で戦っていたらしく、個人的には「?」となっていたが、みんなこんなに調子がいいんだったらしょうがないですね。

 

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 そのスーペルコパでレアル・マドリーは優勝したのだけど、そのおかげで試合前にはパシージョという珍しい儀式が見れた。直近の大会で優勝したチームをたたえるために、対戦相手の選手が先に入場して花道を作る、というもので、スペインのサッカー界では伝統的に行われているらしい。(ライバル関係が長いチーム同士だと省略されることもあり、良いプロレスだと思った)

 

 パシージョはかなり良かった。親密圏で生きていると形式だけの儀式を軽く見ちゃいがちだけど、遠いところから見る儀式というのは風格が感じられて良いものですね。もっと日常に、儀式を無理なく取り入れていきたい。