キンモクセイという僕の大好きなバンドが活動を再開し、この12月25日についにニューアルバムを出した。今年のクリスマスにおいて2番目にうれしい出来事だった。*1
キンモクセイ「やっぱりこの5人は特別」再始動で気づいたバンドの大切さ : MusicVoice(ミュージックヴォイス)
キンモクセイ「ジャパニーズポップス」インタビュー|再始動でたどり着いた5人にしか作れない音 - 音楽ナタリー 特集・インタビュー
そのキンモクセイのいくつかのインタビュー記事を読んでいて、ああもう!という気持ちになった。
伊藤俊吾 イベントとしてはすごく沢山のお客さんが来てくださいました。でも、ライブ自体はそうでもなかったんです。その時キンモクセイのCDを持っていかなくて、それぞれのソロのCDを物販で売ったんですけど、僕のCDがすごく売れまして...。
――皆さんとの格差が生まれたと他のインタビューで仰ってましたね。
伊藤俊吾 そうなんです(笑)。それで僕は勝手にみんなとの絆に亀裂が生じたと思っていて。
白井雄介 その格差で亀裂が生じてたら、20代の時にとっくに解散してるわ(笑)。
(Musicvoice)
ああもう!
──アルバムリリース後はレコ発ライブも決まっています。この先もパーマネントな活動が続きそうですか?
伊藤 それを念頭に置くのではなくて、まずはバンドの健康ありきで考えたいんですよね。キンモクセイならではのサウンドは確実にあって、このメンバーは特別な存在だということもわかったので、音楽を続けることでギクシャクするのは本末転倒だなと。
(音楽ナタリー)
ああもう!
キンモクセイはそもそも最高のミュージシャン集団なのですが、その人の集合をひとつのバンドとして認識させるための焦点になっていたのはやはり伊藤俊吾さんの詞であり曲であり歌だったのだと思うのです。
自分がそういう位置に立ちながらメジャーバンドとして活動していくにあたり、かなりの心労を抱えていたということには切なさをおぼえるし、それでも14年たってもういちど、自分たちのやりたい音楽でアルバムをリリースしたことにかけがえのなさを感じる。
以下は曲ごとのミニ感想です。()のなかは作曲者。
1.セレモニー(伊藤俊吾)
キンモクセイ活動再開とは関係ないタイミングでできた曲だとインタビューでは触れられていますが、どうしても活動再開のための祝祭の曲にしか受け取れねえ。
2.TOKYO MAGIC JAPANESE MUSIC(白井雄介)
TOKYO、JAPANESEと言いながらなんとなくチャイナ風味。ボーカルの頭を取るマリンバと頭を取られるボーカルが印象的。
3.渚のラプソディ(HALIFANIE*2)
これが個人的に一番「キンモクセイだなあ~」と思う。
4.都市と光の相対性(伊藤俊吾)
タイトルだけ見ると小沢健二か?となる。メロ部分のリズムの絡み合いと、間奏部分の豊潤さが素敵ですね。
5.ベター・レター(佐々木良)
個人的にいちばん好きな曲。いままでとは印象の違うカッティングギターではじまり、そのあとはずっとYMO。身体が動いちゃうようなのりのりのバックトラックに平板なボーカルが乗るの超かっこいい。
6.あなた、フツウね(白井雄介)
いや~、これこそキンモクセイ!って感じのスーパーダサポップ! 往年の名台詞「あなた、東京の人よね?」「ううん、神奈川」を思い出す。結局こういうのがいちばんかっこいいということに残念ながら世の中の多くのひとが気づいていない。
7.ない!(後藤秀人)
メロ部分の2パートで盛り上げてサビで緊張から解放されるというまっとうな曲。
8.エイト・エイティ(佐々木良)
ちょっと笑ってしまった。
9.ダージリン(HALIFANIE)
「ダージリン」と「大事に」で踏むリリックに笑ってしまった。
10.グッバイ・マイ・ライフ(伊藤俊吾)
優しくコミカルにつぶれたような音色のシンセサイザー(?)が良い…。
11.今夜(後藤秀人)
「元気でいてくれて ありがとう」こちらのセリフです……。ありがとうキンモクセイ。