トッテナム・ホットスパーは最高の移籍期間のあとは期待外れの夏を過ごし、さらに低調な秋を過ぎようとしている。とくにアウェーでの戦績が悪く、(実況の肩の言葉によれば)リーグ戦では去年の1月から9敗2分けらしい。
たしかに。チャンピオンズリーグのファイナリストになったおかげでなんか去年の終盤は良い思い出として残っているが、リーグ戦の終盤は散々なものだった(しかしそのときはチェルシーもマンUもアーセナルも散々だったので助かった)。し、よく考えるとチャンピオンズリーグでは準々決勝でも準決勝でも決勝でも1度ずつ負けているのである。よく考えると、僕の応援しているトッテナム・ホットスパーはそんなに勝っていない。
今回の相手はおなじくクラブが使っているお金の額に見合わないひどいシーズンを過ごしているエヴァ―トン。試合自体もとくに見どころはなく進んでいき、63分にイウォビのミスを拾う形でデレ・アリが決めて先制。ゴール自体はミスありきのものだったけど、決め切って当然というような類のシチュエーションでもなかった。ドリブルの方向を外に押し出そうと、ややシンプル過ぎる対応をしてしまったホルゲートの裏をかく、デレ・アリらしいしたたかなプレーでさくっとシチュエーションをゴールにつなげた。こういうところはデレ・アリは信頼できる。これで22歳って信じられないな。32歳のような落ち着いたプレーをしますよね。
局面局面でいいプレーはあるし、頑張っている選手は頑張っているんだけど、チームとしてのクオリティがいまいち上がらないスパーズ。今日もトンネルを抜け出せないまま、レッドカードの局面を迎える。ソン・フンミンが後ろからタックル。バランスを崩してしまったアンドレ・ゴメスがオーリエと接触。直接見てはいないが、足がけっこうなひどい方向に曲がっていたらしい。流すのがためらわれる、という理由でリプレーすら流れなかった。
ファールの状況そのものだけを見るとレッドカードではなくイエローカードが適当ではないのか? という指摘もいろいろされているけれど、どちらにせよ、ソン・フンミンはロッカールームに下がるべきだっただろう。アンドレ・ゴメスの回復を祈ります。ただ、だれかの悪意というよりはだれのものでもない不運がもたらしたケガだったということはピッチ上でも明らかだったらしく、乱闘などの大きな騒ぎは起きなかった。
騒然とした状況でプレーは再開し、ケガの影響で12分に膨れ上がったアディショナルタイムにダイレクトの折り返しを頭で合わせたジュンク・トスンが追いつく。1-1でスパーズとエヴァ―トンは勝ち点を分け合った。
勝ち負けとしても、興行としても、実際にプレーした選手にとっても、良いところが見つからない悪い試合だった。次のシェフィールド戦にはケインとソンの両方を欠いた状態で臨むことになるかもしれない。スパーズの苦しい秋はまだ続きそうです。