東洋文庫ミュージアムの漢字展

 

 東洋文庫ミュージアムというところで開催されている、「漢字展ー4000年の旅」という展示を見てきた。会期は2019年5月29日(水)〜9月23日(月・祝)。JR山手線の駒込駅から六義園の方向に歩いて行って、六義園をちょっと過ぎたあたりにある。

 

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 なかはこんな感じ。とてもかっこよく本が並べられている。物体としての本が好きならばこれだけでけっこう満足できるかもしれない。

 

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 展示は本が中心だったが、このような甲骨文字が書かれた甲や骨の断片もあった。漢字の歴史をたどる企画展の本丸ではこのような断片に始まり、説文解字康煕字典簡体字ハンドブックなど、漢字の歴史にまつわる記念碑的な本が次々と紹介される。

 

 ちなみに、中国には漢字を発明したとされる「蒼頡」という伝説上の人物がいて、このひとをかわいくデフォルメしたキャラクターが展示の案内人に抜擢されていた。観察力が優れているおじさんで、その証拠に目が四つあったという。

 

 昔大学に通ってたころ、教授が授業の合間のこぼれ話で、「ちなみに、ちなみに、中国には漢字を発明したとされる『蒼頡』という伝説上の人物がいて、これを中国語読みするとCāng Jiéになるんですよ。わかります? みなさん? 漢字を発明したCāng Jié……。ぐふふ」といっていてちょっと気持ち悪かったのでいまも鮮烈に覚えている。中国には漢字を発明したとされる『蒼頡』という伝説上の人物がいる。

 

四角号碼(しかくごうま)は漢字の検索方式の一つ。漢字の四隅を形状により0から9まで番号を付与し、更に同一番号となる漢字を区別するために「附角」番号を付与し、最大5桁の数値で漢字を配列する。

 展示内容でいちばん「へえ~」となったのはこれ。たしかに漢字に字形からわかる番号を振れたら便利だとは思うけど、熟練に時間がいりそうだ。

 

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 近くには明らかに蕎麦屋か天ぷら屋か寿司屋の居抜きで入ったものと思われる、そぐわない外見のタイ料理屋さんがあった。外見は0%、内装は20%ほどのタイ料理屋さん感しかなかったが、料理はもちろん100%タイ料理だったし、店の中にも思いっきりタイ料理屋さんでかかっているようなタイ音楽がかかっていた。

 生きのいい違和感を感じることができる、ややめずらしいスポットだと思うので、東洋文庫ミュージアムを訪れる際の昼食にはここをご検討してもらってもいいのではないだろうか。

 

 さらにこのタイ料理屋の隣には、「BOOKS青いカバ」というかわいい名前のセレクト古書店があった。フェルナンド・ペソアのTシャツとかも売っているらしい。東洋文庫ミュージアムとあわせてどうぞ。物体としての本が好きならばいい感じのひとときを楽しめると思う。