どのようにして決裁者を納得させたのかはわからないが、滋賀県の湖南市では今年の3月から、公式Vtuberによる自治体のプロモーション活動を行っている。
気合いと予算の入ったスタイリッシュなロゴを筆頭に、背景や3Dモデルは統一感をもってデザインされている。適当にそれっぽく動かしているのではなく、ちゃんとモーションキャプチャもしているっぽい。すごい。立派なプロジェクトだ…と思っていたら声が市役所職員がやっているのか?というような感じの完成度で、そのギャップにびっくりして思わずチャンネル登録してしまった。僕がはじめて追いかけることになったVtuber、それが湖南市のMinamiさんだ。
湖南市ってご存知ですか?
琵琶湖の南にあるから湖南って言うんですけど
こなん…
こにゃん…
にゃん
…的な。
ちなみにこちらは山口県周南市の写真。こちらも猫の人気にあやかって自分たちをPRしようとしている。地方自治体が思いつくことはだいたい同じである。
というわけでMinamiさんのファンになったのですが、Minamiさん、ぜんぜん動画をあげてくれない! Minamiさんが我々のまえに姿を現してからもう5か月が経とうとしているが、完成した動画はいまだ4本のみ。全部合わせても5分とちょっとくらいの長さしかない。こんな素晴らしい動画を5分とちょっとしか見れない悲しみと、それでも5分は見ることができるという福音の感覚が、1332名(現在)のチャンネル登録者たちを覆っている。
こちらの動画では、飼い主が見つからずに殺処分されてしまうわんちゃんや猫ちゃんに言及したあと、「それをなんとかするために仮想都市『こにゃん市』を設立し、毎年わんちゃんや猫ちゃんの市長を投票で選んでいる」と言っているが、なんども繰り返し見ているはずなのにこの部分のロジックがいまだにわからない。福音は民にとって必ずしもたやすく理解できるようなものではないのだろう。
こちらが直近の動画。これが出るまでに3か月も待った。そのあともすでに3週間待っている。渇いてきた。今回はもっと待つことになるかもしれない。待つのは苦しいけれど、宗教というのはそういうものだ。すでに受け取った4本の動画をなんども繰り返しながら、あたらしい福音のときを待つしかない。覚悟はできている。
ちなみに、その最新の動画ではとなりの自治体を挑発して外交問題を引き起こしていた。MinamiさんはたんなるPRのための飾りではなく、外交のカードでもあるらしい。どんどん活躍の場を広げていってほしい。いままでありがとう、これからも応援しつづけます。待ちます。
Vtuber以外にも、湖南市は公式チャンネルを通じていろいろな動画をあげていて、それを流し見しているのもけっこう楽しい。Minamiさんを待ちながら。