今さらわざわざ「良い」と思う必要もない曲なのかもしれないけど

 

 すでに世の中のたくさんの人が聞いていて、その良さをはっきりと知っていて、とくになにか付け加えて面白いことを言えるわけでもない、いまさらわざわざ「良い」なんて言って話題にする意味なんてない、と思っちゃうんだけどやっぱり良いなあと思っちゃう、というような曲があるんです。

 

 「I'm waiting for that feeling」のところの愛唱性がとてつもなくて、つい重ねて歌っちゃうね。そしてそのあとに入ってくるグレアム(ギターの人、一時期ボーカルのデーモンと仲たがいをしていた)のoh my babyのエモさ。あと、いま調べてはじめて知ったんですけど、歌いだしのTender is the nightって、スコット・フィッツジェラルドの『夜はやさし』なんですね。

 

 この曲を初めて聞いたのは、Red Hot Chili Peppersが出演したミュージックステーションでのこと。調べたら2011年のころだった。その時の曲が印象に残ってて、数年後に聞きかえしてからRed Hot Chili Peppersにはまった。新しい流れを始まりの位置にいるようなバンドではないと思うんだけど、逆にいろいろな流れの合流地点になっているようなバンドで、そういう懐の広さが好きなんです。

 

 オフィシャルミュージックビデオなのに完全なライブ音源と言う謎。いちばんの聞きどころであるThunder only happens when it's rainingのところのハーモニーがいまいちのように聞こえる。Fleetwood Macを聞き始めたきっかけはもちろん、ジョニィ・ジョースターのスタンド、「牙(タスク)」なのですが、でも、最終的にはこの曲が本当にいつまでも好き。

 

 本当に良い曲としか言いようがない。記念碑的。Give me one good reasonのところが曲中で何度も出てくるんだけどそのたびに良くてすごいですよね。あと、おっ、ってなるようなイントロから始まるんだけど、そこから急にではなく、ついた火種を大事に守りながらすこしずつ大きくしていくみたいにゆっくり盛り上がっていくのが素敵。

 

 いつ聞いても美しすぎてため息が出る。The Strokesのいちばんの聞きどころは平板な音を鳴らす二枚のギターとボーカルの絡み合い、それとそれを支えるベースとドラムのアシスタントだと思うんだけど、よく考えるとこれで全部か。でもとにかく本当にシンプルな材料を最高の曲にする能力でこのバンドを越える者いないんですよ。

 

 ネイティブじゃない後聞きビートルズあるあるだと思うんですけど、ビートルズは曲も多いんだけどそれぞれの曲にまつわる付帯情報も多すぎてなかなか「この曲はいったん終わり! 次行こう」ってなりづらい気がする。Across the universeとかLucy in the Sky With Diamondsとかを死ぬほど聞いていた時期もあったんだけど、いまハマってるのがこの曲。