19’シーズンJ1リーグ第18節 札幌vs松本

 

 J1リーグには18個のチームがあり、1シーズンのなかで各チームはほかのチームすべてと、ホーム&アウェイで計2試合ずつ対戦する。なので、17試合が終わった時点でリーグは折り返しとなる。後半戦の初戦となる第18節は7/6と7/7に行われた。

 

 北海道コンサドーレ札幌は17試合を終えた時点で6位。J1にあがってもすぐに落ちてくる「エレベータークラブ」と揶揄され、エレベーターどころかJ2でも中位どまりなシーズンも多かったかつてと比べると本当に感慨深い。強豪になったのかと言われると、その域に達するにはまだまだ破らないといけない殻はたくさんあるものの、簡単には負けない・調子に乗ったら恐ろしい、そういう一目置かれるクラブになりつつあるのは本当にうれしい。

 今年の目標は3位以内であり、それを実現させられる位置につけている。

 

 ただ、最近は調子を落としてきていて、いまは公式戦2連敗中である。前節の仙台戦は仙台に負けるときはこういう負けかたをするんだよな…、っていう感じの負けかたをして本当に仙台が嫌いになった。そのあとの天皇杯ではJFLというアマチュアリーグに所属するHondaFCに4失点して完敗した。

 

f:id:kageboushi99m2:20190708005611p:plain

札幌vs松本の試合結果・データ(明治安田生命J1リーグ:2019年7月7日):Jリーグ.jp

 

 というところで、今回の相手は松本山雅FC。現在三連敗中。前半戦終了時点では下から2番目。選手層やクラブとしての資金力、実績を考えると、J1残留となる15位以上が目標となるチームである。J2時代はよきライバルともいえる力関係だったが、ここ最近の札幌にとっては格下だと言い切ってもいいくらいの差はついた。実力通りにいけば勝てるはずだ。

 

f:id:kageboushi99m2:20190708010106p:plain

 結果はドローでした。サッカーにはいろいろな引き分けがあって、その時の状況に応じていろいろな評価ができる結果なのだけど、いまの札幌にとってはこのドローをポジティブにとらえることは難しい。松本はやっぱり、憎いくらい勝負強く、いやらしいチームだったなあということを再確認させられました。

 

 チャナティップを怪我で失ってからの札幌は、武蔵・ジェイ・Aロペスの3ストライカーをトップに並べる、「かみなり・ふぶき・じしん・はかいこうせん」を覚えさせたケンタロスのような布陣で試合に挑んでいるが、なかなか結果は出ていない。前線に個人能力の高いアタッカーを並べるというと、ヘイス・ジュリーニョ・都倉・内村の前残りカウンターでJ2を制覇した2016年の成功体験をすこし思い出して、この布陣でもけっこういける、むしろ強いんじゃない?って最初は思ったんだけどねえ。

 

f:id:kageboushi99m2:20190708011247p:plain
 松本で印象に残ったのは杉本選手。前田と高崎を2トップ気味にし、かわりに1列下がり気味でボランチのわきのスペースを埋める、という守備的なタスクを割り当てられていたという事情もあって、目立った活躍をしたというわけではないが、それでも、松本の同点直後のチャンスシーンなどに輝きを見せていた。ク・ソンユンの素晴らしいセーブがあったからたまたま点にはならなかったけど、あれは1点にふさわしいプレーだった。

 札幌は、どちらかというとオフェンシブミッドフィールダーであるチャナティップと、どちらかといえばというわけでもなく全く議論の余地なくFWであるアンデルソン・ロペスを、なんちゃってシャドーとして起用している。ので、なかなか純粋なシャドーのプレーの魅力を感じる機会は少ないが、この杉本選手は純血種のシャドーストライカーという感じで、うちとの試合でなければとても楽しくプレーを見れそうだった。ボックスの外では駆け引きができ、中では独力でマークを外してコースを作れる。なんとなく武藤雄樹を思い出させる。徳島にいるときからなんとなく注目はしていた。ほかにも、C大阪や大分が欲しがるタイプの選手じゃないでしょうか。ひょっとしたらそろそろ頭角を現してくるかもしれない。